「ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ」 霧舎 巧 | カラクリリリカル

「ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ」 霧舎 巧

またまた大学サークルものです。
今回は、「ミステリー研究会」ではなく、「あかずの扉研究会」!!



霧舎 巧
ドッペルゲンガー宮―“あかずの扉”研究会流氷館へ


--------------------------------

第12回メフィスト賞受賞作。

北澤大学新入生、二本松飛翔(かける)は、サークル《あかずの扉》研究会に入会した。自称名探偵、特技は解錠などクセ者ぞろいのメンバー6人が、尖塔の屹立する奇怪な洋館“流氷館”を訪れた時、恐るべき惨劇の幕が開く。閉鎖状況での連続殺人と驚愕の第トリック!
--------------------------------



館、クローズドサークル、連続殺人、双子・・・などなど
本格の香りが凝縮したような作品。

そこに横溝正史的な恐怖のスパイスが加わって
読みながらちょっと怖くなり、後ろをついつい何度か振り向いてしまいました・・・


キャラクターはとても漫画的で、
駄目な人は本当に駄目かな?という気がしますが
私は、その軽さと怖さのバランスが丁度良かったです。

皆さんおっしゃっていますが、探偵役の後動さんは江神さんとイメージが被りますねw

この作品の見所は、何と言っても館にいる自称名探偵・鳴海雄一郎と
館の外にいる名探偵・後動悟が携帯電話を介して行われる、同時推理

あのシーンだけの為にも読む価値有り!という格好良さ!!


後半あまりに後動さんの頭の回転が速すぎて
二転三転する推理についていけない部分があったり
読後疑問が残る箇所もありましたが、
舞台や登場するアイテムの雰囲気・張り巡らされた伏線・大掛かりな仕掛け、大変読み応えがありました。

続編も是非集めていきたいシリーズです。